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耐熱タイプ

耐熱・耐摩耗・高密着を特徴とした次世代のPVDコーティングです。過酷な高温・高面圧雰囲気で使用される切削工具、鍛造金型、ダイキャスト金型、深穴形状金型等において寿命向上を実現します。

AlCrNコーティング Acro(アクロ)

―TiAlNコーティングはAlCrNコーティングへ進化―

Al含有窒化物は加工熱で最表面にAl2O3保護膜が形成されるため、Al成分が多いほど高温雰囲気で優れた耐摩耗性を示します。窒化物の強固なB1結晶構造を崩さずに含有できるAl量の限界は、TiAlNの約32at%(Ti:Al=35:65)に対してAlCrNは約38at%(Al:Cr=77:23)であり、AlリッチなAlCrNが耐熱コーティングの主役になりつつあります。
過酷な高温・高面圧環境に対応した新世代AlCrNコーティング“Acro”をお試しください。

高い耐熱温度と耐摩耗性(耐面圧)を実現

耐熱温度1000℃

AlリッチなAlCrN層を有するAcroコーティングシリーズは、PVDコーティングラインナップでは最高の耐熱温度1000℃を示します。

高面圧に強い

CrNの高い靭性とAlNの高い硬さを兼ね備えたAlCrN層により、Acroコーティングシリーズは高面圧環境で圧倒的な耐摩耗性を示します。また、耐摩耗性を重視される場合はAlCrN層の膜厚が厚いタイプをお勧めします。

高負荷金型の寿命アップ

製品の高精度化やハイサイクル化によって、金型への負荷は高まる一方です。Acroは高温・高面圧から金型を保護します。

・冷間加工・・・粉末成形金型、冷間鍛造パンチ
・熱間加工・・・ダイカスト金型、ダイカストピン、熱間鍛造パンチ
・切削加工・・・エンドミル、ドリル、インサートチップ

ラインナップ

膜種Acro9Acro9PAcrodiXis-Acro
外観色グレーグレーグレーグレー
膜厚9±2μm9±2μm3±1μm3±1μm
硬さ22GPa22GPa28GPa30GPa
摩擦係数0.50.50.50.5
表面粗さRz≦4.0μmRz≦1.0μmRz≦1.5μmRz≦1.0μm
密着性(Lc)60N60N60N80N
耐熱温度1000℃1000℃1000℃1000℃
処理温度500℃500℃500℃500℃
処理サイズφ450×H550(mm)φ450×H550(mm)φ450×H550(mm)φ450×340(mm)
重量180kg180kg180kg300kg
処理範囲外面外面外面深穴内面
Acroコーティングシリーズは用途に応じて最適な膜種を提案させて頂きます。

ダイキャスト金型への新提案

Acro9はダイカスト金型のために開発された、新世代厚膜PVDコーティングです。特に耐溶損性、耐浸食性、耐摩耗性に優れ、あらゆるダイカスト金型の寿命アップを実現します。

厚膜9ミクロン×耐熱1000℃

ダイカスト金型用コーティングとして一般的なTiAlNと比較すると、Acro9は高い耐熱温度:1000℃および厚い膜厚:9μmを特徴としています。
耐摩耗/耐溶損層は、高面圧/高温の被加工材から基材を保護します。
耐摩耗/耐溶損層と基材の間に密着層を生成することで、高面圧環境でも優れた密着性を示します。

耐溶損性(ADC12浸漬)

コーティングピンをアルミ合金ADC12溶湯(700℃)に浸漬し、耐溶損性を評価しました。
一般的なTiAlNは浸漬8時間で激しい溶損が発生し、ピンが細くなっていることがわかります。
Acro9の寿命は浸漬24時間、TiAlNの3倍以上を示しました。
ラジカル窒化+Acro9の寿命は浸漬40時間、TiAlNの5倍以上を示しました。

高い耐熱性

耐熱温度が1000℃

耐熱温度が1000℃を示すAlCrN系耐摩耗層を最表層に使用することで、ダイキャスト加工等の高温環境での寿命向上を実現します。
(大気炉での加熱保持試験による耐熱温度)

高い密着性

親和性の良い密着層

鉄系材料との高い親和性を持つ密着層を使用する
ことで、9µmの厚膜でも高い密着性を維持します。
(ロックウェル硬さ試験機の圧痕観察による
コーティング膜の密着性の評価)

ラジカル窒化との複合処理で性能アップ

窒化との複合処理

Acro9はラジカル窒化後の金型にも処理が可能です。未窒化の場合と比較して耐溶損性・耐衝撃摩耗性・耐摩耗性など多くの性能が大きく向上します。

高い耐衝撃摩耗性

耐衝撃摩耗性能が4倍

大量の微粒子を高速でぶつけて膜表面を摩耗させて耐衝撃摩耗性を見る微粒子エロージョン試験において、TiAlNでは投射量5gで膜が摩耗し基材が露出します。一方、Acro9は投射量20gでも基材の露出が見られておらず、TiAlNの4倍の耐衝撃摩耗性を実現しました。

高い耐摩耗性

耐摩耗性能が50倍

高荷重ボールオンディスク摩擦摩耗試験において、TiAlNは4mで膜が摩耗して基材が露出します。
一方、Acro9は200mでも膜をしっかり維持できており、TiAlNの50倍の耐摩耗性を実現しました。

耐焼付き性を重視するコアピン、エジェクタピンに最適

滑らかな表面性状を実現したダイカストピン向けの平滑Acro9です。Acro9の優れた耐溶損性を維持しながら、耐焼付き性や耐カジリ性が向上します。
円筒形のピンが対象となります。非円筒形についてはご相談下さい。

耐焼付き性(ADC12引抜き試験)

コーティングピンにアルミ合金ADC12溶湯を鋳込み、引抜き試験を実施しました。
表面が粗いAcro9はADC12の凝着が発生し、TiAlNより高い引抜き荷重を示しました。
表面が平滑なAcro9PはADC12の凝着が少なく、最も低い引抜き荷重を示しました。

ダイカスト向け金型選定ガイド

Acro9はあらゆるダイカスト金型に適用できます。

Acro9Pは耐焼付き性を重視する円筒形のピンに対応します。
非円筒の金型については適用できない場合がありますので、お問い合わせください。
基材のラジカル窒化と組み合わせることで、耐溶損性、耐浸食性、耐摩耗性がさらに向上します。

全性能を進化させた新世代AlCrNコーティング

切削工具、鍛造金型、ダイキャスト金型など、高温環境での加工において寿命向上を実現します。

AcroはAlCrN層とTiAlN層の2層化により、
結晶を微細化し、高速切削時の膜剥離を抑制します。

切削工具の寿命を大幅に向上

ステンレス鋼の高速ドライ切削試験

熱負荷の高い難削材切削において、
AlCrN層が切削工具の摩耗進行を抑制します。

・切削工具:φ6mm、2枚刃、超硬エンドミル
・被削材:SUS304 (200HV)
・切削速度:100m/min(側面切削、ドライ)

深穴内面専用AlCrNコーティング

深穴内面で成形するダイス金型の寿命向上を実現する深穴内面専用のAlCrNコーティングです。
高温、高面圧環境で圧倒的な耐摩耗性を示します。

高い硬さのAlCrN層単一構造により、
高面圧環境で優れた耐摩耗性を示します。
独自のデュアルビーム・アークイオンプレーティング技術“diXis”により、
深穴内面(L/D≒5)へのAlCrNコーティングが可能です。

耐熱PVDコーティングに関するお問合せ

ホームページお問い合わせフォームをご利用下さい。
後日、担当者よりご連絡させて頂きます。
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