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深穴タイプ

500℃以下で処理可能なPVDコーティングのメリットはそのままに、深穴内面へのセラミックス保護膜の生成を可能にしました。2020年8月特許取得(特許第6746052号/真空アーク蒸着成膜装置)
深穴内面の摩耗が進行する深穴ダイスや深穴部品の寿命向上を実現します。
diXis®は北熱の登録商標です。

深穴内面へのPVDコーティングを実現

一般的なPVDコーティングは深穴内面へのセラミックス保護膜(TiN、TiAlN等)の生成が困難なため、金型摩耗が進行しやすく、コストが増大します。L(長さ)/ D(内径)≒1を超える穴内面では、膜厚が極めて薄くなります。高温処理(550℃<)のCVDコーティングでは、変寸リスクが問題になります。
diXisでは一般的なPVDコーティングでは難しい、L(長さ)/ D(内径)≒5の深穴内面へ、硬質なセラミックス保護膜(TiN、TiAlN等)を生成できます。深穴内面においても、一般的なセラミックス保護膜と同様の高い硬さと優れた密着性を示します。深穴内面で成形する金型や深穴内面で摺動させる機械部品において、飛躍的な寿命向上が期待できます。

独自の対向デュアルイオンビーム・イオンプレーティング“diXis”により、PVDコーティングで初めて深穴内面への生成を実現しました。

一般的なPVDコーティングは、ターゲット原料を放射状に蒸発させて大面積ワークに膜生成しています。diXisは磁場制御によりターゲット原料をイオンビーム化し、穴に対して平行に照射することができます。対象物である金型の深穴部の両側からイオンビームを照射させ、効率よく輸送することによって深穴内面へ硬質なセラミックス保護膜を生成させます。
アークイオンプレーティング法を応用することで、様々な膜種に対応します。冷間鍛造金型や粉末成形金型を想定した装置設計により、効率よくセラミックス保護膜を生成することが可能です。

従来PVD法とdiXisの比較

テーパ深穴部品のカットモデル(穴寸φ 19.5×φ 7×122L)

従来法では穴内部(奥部)の成膜が不可能でしたが、diXisでは穴内部に直接イオンビーム照射することにより、穴内部(奥)まで成膜が可能です。
テーパ深穴部品のカットモデル(穴寸φ 19.5×φ 7×122L)

深穴内面における膜厚分布

従来PVDコーティングでは不可能であった深穴内面の奥部までセラミックス保護膜を生成できます。
L(長さ)と D(径)の比でおおよその膜厚分布が決まります。

・耐摩耗性を重視する貫通穴内面 :L / D ≦ 5を推奨
・離型性を重視する貫通穴内面 :L / D ≦ 7を推奨

従来PVDとdiXisの膜厚分布の比較

膜密着性

一般的なPVDコーティングはArイオンボンバードで基材をクリーニングしますが、深穴内面までArイオンを照射することができません。diXisイオンビーム照射技術を応用した、深穴内面専用のDMi(デュアルメタルイオンビーム)ボンバードを開発しました。指向性の高い金属イオンビームを深穴内面へ照射することで、穴奥部でも優れた密着性が得られます。

各種金型で寿命向上を確認

粉末焼結金型

純鉄製自動車部品の粉末焼結金型(成形工程)において、従来比10倍以上の寿命向上を実現しました。
・超硬焼嵌めダイス
・穴寸:φ10×100L

射出成形機部品

プラスチック射出成形機のシリンダ部品において、従来比6倍以上の寿命向上を実現しました。
・SKD11シリンダ
・穴寸:φ10×30L

冷間鍛造金型

純鉄製自動車部品の冷間鍛造金型において、寿命の安定化および従来比2~20倍の寿命向上を実現しました。
・超硬焼嵌ダイス
・穴寸:φ20×100L

ラインナップ

膜種外観色用途
diXis-TiNゴールド深穴内面(金属成形/粉末成形/冷間鍛造金型、機械部品)
diXis-TiCNグレー深穴内面(金属成形/粉末成形/冷間鍛造/絞り成形金型)
diXis-TiAlNバイオレット深穴内面(金属成形/粉末成形/冷間鍛造/絞り成形金型)
diXis-CrNシルバー深穴内面(樹脂成形/射出成形/Cu成形金型、Ti成形部品)
diXis-Acroグレー深穴内面(金属成形/冷間鍛造金型(高温・高面圧))

特性

diXisの膜厚(目安)は穴入口で3±1μmになります。穴径やL/Dにより異なります。

膜種硬さHIT耐熱温度表面粗さ密着性(Lc)
diXis-TiN22GPa600℃Ra≦0.1、Rz≦0.870N
diXis-TiCN32GPa400℃Ra≦0.1、Rz≦1.050N
diXis-TiAlN30GPa800℃Ra≦0.2、Rz≦1.050N
diXis-CrN16GPa700℃Ra≦0.1、Ra≦0.890N
diXis-Acro30GPa1000℃Ra≦0.2、Rz≦1.080N
硬さ:ピコデンター(Fischer製)による測定値(インデーション硬さ)です。
表面粗さ:Ra<0.010、Rz<0.090のTP(SKH51)にコーティングした場合の表面粗さです。
※耐熱温度は大気炉での加熱保持試験による耐熱温度(5時間加熱後、1/2以上膜が残存しており、
著しい硬さの低下が認められない温度)であり、実際の使用環境により異なります。

コーティング受託加工

原則として金型1個/1バッチ処理となります。処理価格および納期はお問い合わせください。
原則として端面をマスキングして処理するため、初回品はマスキング板製作のため通常納期+4日程必要となります。
対応金型最大外寸:φ450×340mm(※TiAlN・Acro:対角340mm以下)
最大重量:300kg(※TiAlN・Acro:50kg)
深穴形状穴形状:丸穴、四角穴、六角穴、段付き穴等
穴寸:φ5~φ100(mm)
L (深さ)/D (穴径):5以下(止穴は2.5以下)
※L/D=5(2.5)を超える場合はご相談ください。
処理温度500℃以下
その他超硬焼嵌め後のダイスにも対応します。
コーティング必要部はラップ仕上げ(Rz<0.8)を推奨します。

特殊形状品

特殊形状についてもご相談に応じます。
各種穴形状における膜厚分布等、お気軽に問い合わせください。

高い耐摩耗性(耐面圧)を実現

CrNの高い靭性とAlNの高い硬さを兼ね備えたAlCrN層により、Acroコーティングシリーズは高面圧環境で圧倒的な耐摩耗性を示します。また、耐摩耗性を重視される場合はAlCrN層の膜厚が厚いタイプをお勧めします。

深穴内面専用AlCrNコーティング

深穴内面で成形するダイス金型の寿命向上を実現する深穴内面専用のAlCrNコーティングです。
高温、高面圧環境で圧倒的な耐摩耗性を示します。

高い硬さのAlCrN層単一構造により、
高面圧環境で優れた耐摩耗性を示します。
独自のデュアルビーム・アークイオンプレーティング技術“diXis”により、
深穴内面(L/D≒5)へのAlCrNコーティングが可能です。

diXis(ディクシス)に関するお問い合わせ

ホームページお問い合わせフォームをご利用下さい。
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